Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
この煎薬を調進するのが緑雨のお父さんの役目で、そのための薬味箪笥が自宅に備えてあった。その薬味箪笥を置いた六畳敷ばかりの部屋が座敷をも兼帯していて緑雨の客もこの座敷へ通し、外に定った書斎らしい室がなかったようだ。こんな長屋に親の厄介となっていたのだから無論気楽な身の上ではなかったろうが、外出ける時はイツデモ常綺羅の斜子の紋付に一楽の小袖というゾロリとした服装をしていた。尤も一枚こっきりのいわゆる常上着の晴着なしであったろうが、左に右くリュウとした服装で、看板法被に篆書崩しの齊の字の付いたお抱え然たる俥を乗廻し、何処へ行っても必ず俥を待たして置いた。例えば私の下宿に一日遊んでる時でも、朝から夜る遅くまでも俥を待たして置いた。長尻の男だからドコへ行っても長かったが、何処でも俥を待たして置いたから、緑雨の来ているのは伴待や玄関や勝手で長々と臥そべってる緑雨の車夫で直ぐ解った。緑雨の車夫は恐らく主人を乗せて駈ける時間よりも待ってて眠る時間の方が長かったろう。緑雨は口先きばかりでなくて真実困っていたらしいが、こんな馬鹿げた虚飾を張るに骨を折っていた。緑雨と一緒に歩いた事も度々あったが、緑雨は何時でもリュウとした黒紋付で跡から俥がお伴をして来るという勢いだから、精々が米琉の羽織に鉄欄の眼鏡の風采頗る揚らぬ私の如きは