Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「サア、これでこっちの用意はすっかり出来揚った。何時おいでなすってもさしつかえないんだ。マア一服しよう。」と蜻蛉の眼顆のように頭を光らせながら、小野は座敷の真中に坐った。
「イヤ御苦労御苦労。」と新吉もほかの二人と一緒に傍に坐って、頭を掻きながら、「私アどうも、こんなことにゃ一向慣れねえもんだからね……。」といいわけしていた。
「なあに、僕だって、何を知ってるもんか、でたらめさ。」と笑った。
「今夜はマア疲れ直しに大いに飲んでくれ給え。君が第一のお客様なんだからね。」
新吉はこの晴れ晴れしい席に、親戚の者と言っては、ただの一人もないのを、何だか頼りなくも思った。どうかこうかここまで漕ぎつけて来た、長い年月の苦労を思うと、迂廻くねった小径をいろいろに歩いて、広い大道へ出て来たようで、昨日までのことが、夢のように思われた。これからが責任が重いんだという感激もあった。明るい、神々しいような燈火が、風もないのに眼先に揺いで、新吉の眼には涙が浮んで来た。花のような自分の新妻が、不思議の縁の糸に引かれて、天上からでも降りて来るような感じもあった。
「しかしもう来そうなものだね。