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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

暁からやや雨が降ったと見えて、軽い雨滴の音が、眠りを貪った頭に心持よく聞えた。豆屋の鈴の音も湿り気を含んでいた。

何だか今朝から不時な荷物を背負わされたような心持もするが、店を持った時も同じ不安のあったことを思うと、ただ先が少し暗いばかりで、暗い中にも光明はあった。床を離れて茶の間へ出ようとすると、ひょっこりお作と出会った。お作は瓦斯糸織りの不断着に赤い襷をかけて、顔は下手につけた白粉が斑づくっていた。

「オヤ。」と言って赤い顔をうつむいてしまったが、新吉はにっこりともしないで、そのまま店へ出た。店には近所の貧乏町から女の子供が一人、赤子を負った四十ばかりの萎びた爺が一人、炭や味噌を買いに来ていた。

新吉は小僧と一緒に、打って変った愛想のよい顔をして元気よく商いをした。

朝飯の時、初めてお作の顔を熟視することが出来た。狭い食卓に、昨夜の残りの御馳走などをならべて、差し向いで箸を取ったが、お作は折々目をあげて新吉の顔を見た。新吉も飯を盛る横顔をじっと瞶めた。寸法の詰った丸味のある、鼻の小さい顔で額も迫っていた。指節の短い手に何やら石入りの指環を嵌めていた。