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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

「真実に私ほど苦労したものはありませんよ。」と、お増は粗雑な障子の張り方をしながら、自分のことばかり語った。

「これで芳村がまた駄目となれア、私だって考えまさね。」

お庄も母親も人のこととばかり聞き流してもいられなかった。

奥では磯野が叔父と碁を打っていた。磯野がまた東京へ出て来たのは十一月の初旬で、お庄は叔父や母親に隠れて、時々叔父の家で逢っていた。問屋の方をすっかり封ぜられた磯野は、前のように外を遊び行るいていてばかりもいられなかった。碁敵や話し相手に渇えている叔父も、磯野の寄りついて来るのを、結句悦んでいた。医師の糾や繁三が来ると、すぐに石を消毒して、済んだあとでもまた自分の手を注意深く消毒するのが気にくわなかったが、それすら今はあまり相手をしてくれなくなった。

障子張りが一ト片着き片着いてから、衆は一緒に晩飯を食べた。お増は芳村のいない宿の部屋へ帰って、昨日から持越しの冷たい飯を独りで食べる気がしなかった。

「話を聞いてみれば、あの人だって可哀そうですよ、寄りつくところがないんですからね。」と、お庄は後でお増のことを噂した。

「一生懸命芳村さんに噛りついていたって、その芳村さんがどうなるか知れやしない。