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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

東京で世話をしてやった友人が町でかなりな歯科医の玄関を張っている、そこへ行くか、亡くなった妻の実家の持ち家が少しばかりある、その中の一つを借りて起臥するかよりほかなかった。どっちにしても、こんな病人に来て寝込まれるのを迷惑がるのは、解りきっていた。

田舎でみっちり養生をして、癒ったらまた出て来て、運を盛り返そうという心組みのあることは、痩せ衰えた叔父の顔にも現われていた。

「私はまだ結核にはなっておらんつもりだで――。」と、叔父は立つ前にもそう言って、一人では道中が気遣われると言って危ぶむ母親や伯母に笑って言った。

「そんなこといって、汽車のなかで血でも吐いたらどうすらい。」と、母親は弟をたしなめた。ことによったら糺か繁三に行ってもらってもいいし、正雄がついて行ってもいいと思ったが、強いて勧めもしなかった。

「工合が悪かったら、すぐ宿屋へ入ってどっちへでも電報を打たっし。」と、伯母も言い添えた。

叔父の手荷物と言っては、書生で出て来た時分ほどの物すらないくらいであった。時計や指環などもとっくに亡くなって、汚れたパナマだけが、京橋で活動していた時分の面影を遺していた。