Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「そうかね。」笹村は苦笑していた。
甥に脚気の出たとき、笹村はお銀にいいつけて、小豆などを煮させ、医者の薬も飲ませたが、脚がだんだん脹むばかりであった。
「医者が転地した方がいいと言うんですよ。大分苦しそうですよ。それで、叔父さんに旅費を貰ってくれないかって、私にそう言うんですがね。田舎へ帰してお上げなすったらどうです。」
間もなく笹村は甥を帰国の途につかせた。通りまで一緒に送って行って、鳥打の代りに麦藁を買って被せたり、足袋に麻裏草履などもはかせた。
「どうも贅沢を言って困った。」
笹村は帰って来ると、台所を片着けているお銀に話しかけた。
「安いもので押し着けようとしたって、なかなか承知しない。」
甥のいなくなった家を見廻すと、そこらがせいせいするほど綺麗に拭き掃除がされてあった。裏の物干しには、笹村が押入れに束ねておいた夏襯衣や半、寝衣などが、片端から洗われて、風のない静かな朝の日光に曝されていた。
「どうもそう何でも彼でも引っ張り出されちゃ困るね。」
笹村は水口で渇いた口を嗽ぎながら言った。
「そうですか。」
女は鬢の紊れ毛を掻き揚げながら振り顧った。