Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「男も莫迦なんですよ。それから私の片づいている先へ、ちょいちょい手紙をよこしたり、訪ねて来たりするんです。そこはちょっとした料理屋だったもんですから、お客のような風をして上って来るんでしょう。洋服なんぞ着込んで、伯父さんの金鎖など垂さげて……私帳場にいて、ふっとその顔を見ると、もう胸が一杯になって……。」お銀は目のあたりを紅くしながら笑い出した。
「それで大変悪いことをした。お蔭で今度は学校の試験を失敗ったなんて……それもいいんですけれど、どうでしょう飲食いした勘定が足りないんでしょう。磯谷はそれア変な男なんです。まるで芝居のようなんです。」
お銀は黒い壁にくっついている蚊を、ぴたぴた叩きはじめた。
「よくあなたは、こんな蚊が気にならないんですね。」
「僕は蚊帳なしに、夏を送ったことがあるからね。」笹村は頭の萎えたような時に呑む鉄剤をやった後なので、脂のにじみ出たような顔に血の色が出ていた。ランプの灯に、目がちかちかするくらい頭も興奮していた。
お銀は笹村の蒲団の汚いことを言い出して笑った。
「初めての蒲団を敷いたとき、びっくりしましたよ。食べ物やほかのことはそんなでもないのに、一体どうしたんでしょうと思って……敷いてから何だか悪いような気がして、また押入れへしまい込んだり何かして。