Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
お銀は箪笥のうえにおいてあった浴衣地を卸して来て、笹村に示せた。
「もう正一のお宮詣りですよ、着のみ着のままであまり可哀そうですから、私昨夜こんなものを二枚分買って来ましたの。安いもんじゃありませんか、これでようやく七十五銭……。」と言って、お銀は淋しい笑い方をした。
笹村は窓の傍に腕まくりをしながら、脚を投げ出していた。母親は台所で行水の湯を沸かしていた。
「この子に初めて拵える着物が七十五銭なんて、私可哀そうなような気がして……。」と、お銀は涙含んでいた。
「一枚でたくさんじゃないか。それにこの柄というのはないな。」笹村は呟いた。
「そう言うけれど、ちょっといいじゃありませんか。子供にはこういうものがいいんですよ。それに有片だから、不足も言えませんわ。」
「医師の話のところへ、くれてやればよかったんだ。」
「でもまアいいわ。いくら物がなくたって、他人の手に育つことを考えれば……。」
お銀はせめて銘仙かメリンスぐらいで拵えてやりたかったが、それを待っていると拵える時が来そうにも思えなかった。
「それに、お宮詣りに行かないとしても、祝ってもらったところへだけは配り物をしなければなりませんからね。