Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、そういう笹村は、まだ子供を育てるような心持になりきっていなかったが、それでも子供の病気をした時には、心を惹きつけられずにはいられなかった。

夕方お銀に抱かれて、表を見せられていた子供は、不意にどーッと乳を吐き出して、泣くことも出来ずに苦しんだ。

「あなたあなた、正一が大変ですよ……。」と、お銀は叫びながら家へ駈け込んで来た。

子供は先天的に、胃腸の弱い父親の素質を受け継いでいるように思えた。お銀は急いで医者へ連れて行ったが、その晩は徹宵母親が床のうえに坐って、冷えやすい病児の腹を、自分の体で温めていた。笹村はしみ着くようなその泣き声に幾度となく目を覚まされたが、無慈悲な考えが時々頭に閃いていた。

久しくお銀母子が顔を見せなかったので、下谷の親類の婆さんがある日の晩方、不意に訪ねて来た。子供を寝かしつけていたお銀は、頓狂なその声が耳に入ると、急いで裏へ子供を抱き出したが、小さい枕だけは隠す隙がなかった。

「どうしたえ、この枕は……。」と、婆さんはじろじろそれを眺めていた。

お銀は笑い笑い、やがて子供を抱いて入って来た。

「お前の子かえ、それは……。