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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

欽也は気取った医師らしい風をしてじきにやって来たが、笹村の方からもその後お銀と一緒に出かけて行った。そして連れ立って寄席など聞きに入った。子好きの欽也はいつでも正一を手から放さなかった。

五十五、六にもなったかと思われるお銀の父親は無口な行儀のよい人であった。噂に聞いていた、酒と女とで身代を潰した男とは受け取れぬほどであった。

「父もしばらくのまにめっきり弱ってしまいましたよ。前に東京にいたころはあんなじゃなかったんですがね。」と、お銀はその晩酒に酔った父親が、寝所へ入ってから笹村に話しかけた。

「年のせいもあるでしょうけれど、本家が潰れかかっているので、すっかり力を落したんでしょうよ。父は、自分はどんなめちゃをやっても、本家があるからという気が、始終していたんですからね。」

そういうお銀自身も、それには少からず失望しているらしかった。

笹村はそんなことを考えてみようとも思っていなかった。お銀の生立ち、前生涯、家柄、その周囲の人たち――そんなことは、自分の祖先のことすら聞こうとしたことのない笹村には、一顧の価値すらなかった。笹村は時々兄から祖先のことを言い聞かされることがないでもなかった。