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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

」と、外で洋服屋の前を通ると、お銀は時々田舎にいる弟のことを言い出していた。二十四、五になったら、田舎の親類からそれだけの資本は出してもらえる的もついていた。

「田舎においちゃ腕が鈍ってしまうだろうがね。」笹村も時々それを惜しむような口吻を洩らした。

「一体田舎で何しているんだ。」

「このごろは体もよくなって、町で仕事をしているという話ですがね。女が出来たという噂もあるんですけれど……そのことは、去年欽一兄さんが養家先へ帰った時聞いて来たんですの。」

その日は、留守中の出来事や子供の話で日が暮れた。お銀はそこへ取り散らされたいろいろの土産もののなかから、梅干の一折を見つけて、嬉しそうに蓋を開けて見ていた。その梅干には東京やお銀の田舎では、味わうことのできぬ特殊の味わいがあった。かき餅もお銀の好物であった。

「阿母さんが、まアたくさん下すった。お国の梅はどこか異うんですかね。」

子供は叔母からの贈り物の大きな軍艦や起きあがり小法師のようなものをあッち弄りこっちいじりして悦んだが、父親の傍へは寄って来なかった。そして時々視線が行き会うと、妙にそれを避けるような様子があった。