Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
昼は庭に出て草花の種を蒔いたり、大分足のしっかりして来た子供を連れ出して、浅草へ出かけなどした。
だんだん腹の大きくなって来たお銀は、側に寄りつく子供に対して、一層嶮しくなった。そして、「おッぱい、ないない。」と言って、襟を堅く掻き合わした。
「あなたに乳をのまれると、阿母さんは体がぞッとするようで……お父さん辛い辛いをつけてもよござんすか。」
お銀はそう言っては唐辛を少しずつ乳首になすりつけた。
子供は二、三度それをやられると、じきに台所から雑巾を持って来て、拭き取ることを覚えた。
「どんなにお乳がおいしいもんだか。」と、老母は相好を崩して、子供の顔を覗き込んだ。
しょうことなしに老母の懐に慣らされて来た子供は、夜は空乳を吸わせられて眠ったが、朝になると、背に結びつけられて、老母の焚きつける火のちろちろ燃えて来るのを眺めていた。
「煙々山へ行け、銭と金こっちへ来い。」
子供は老母から、いつかそんな唄を教わって、時々人を笑わせた。
母親から突き放されたこの幼児の廻らぬ舌で弁ることは、自分自身の言語のように、誰よりも一番よく父親に解った。いらいらしたような子供の神経は、時々大人をてこずらすほど意地を悪くさせた。