Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
悪い盛りに、潅腸をする看護婦の手を押し除けたころの執拗と片意地とは、快復期へ向いてからは、もう見られなかった。
さもうまそうに柔かい粥を食べる子供の口元を、夫婦は何事も忘れて傍から見守っていた。
「真実によかったねえ、こんな物が食べられるようになって。」
お銀は口の側などを拭いてやりながら、心から嬉しそうに言った。
「そんなにやっては多くないか。」
中途葛湯で一度失敗ったことのあるのに懲りている笹村は、医師の言う通りにばかりもしていられなかった。
「大丈夫ですよこのくらいは。あんまり控え目にばかりしているのもよし悪しですよ。」
お銀は柔かそうなところを、また蓮華で掬ってやった。
「どれ立ってごらん。」
笹村は箸をおいて、さも満足したように黙っている子供に言いかけた。
子供は窓際に手をかけてやっと起ちあがったが、長く支えていられなかった。
「まだ駄目だな。」
笹村は淋しそうに笑った。
その窓際では、次の女の子がやっと掴まり立ちをするころであった。長い病院生活のあいだ、ろくろく母親の乳房も哺ませられたことなしに、よそから手伝いに来てくれている一人の女と女中の背にばかり縛られていた。