Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
」
「もう駄目さ。寄せつけもしやしない。その時分ですら、話がつかなかったくらいだもの。」
お雪はそのころのことを憶い出すように、目を輝かした。その時分お雪はまだ二十歳を少し出たばかりであった。色の真白い背のすらりとした貴婦人風の、品格の高い自分の姿が、なつかしく目に浮んで来た。
「それがこうなのさ。黒田……その男は黒田というのよ。狆のくさめをしたような顔をしているけれど、それが豪いんだとさ。今じゃ公使をしていて、東京にはいないのよ。そこへその時分、始終遊びに来て、碁をうったりお酒を飲んだりしていた男があったの。いい男なのよ。それが黒田の留守に、私をつかまえちゃ、始終厭らしいことばかり言うの。つまり私がその男を怒らしてしまったもんだから――そういう奴だから、逆様に私のことを、黒田に悪口したのさ。やれ国であの女を買ったと言うものがあるとか、やれ男があったとか、貞操が疑わしいとか、何とか言ってさ。黒田はそれでも私に惚れていたから、正妻に直す気は十分あったんだけれど、何分にも阿父さんが承知しないでしょう。そこへ持って来て、私の母があの酒飲みの道楽ものでしょう。