Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「ポチ、ポチ、ポチ。」
新建ちの新しい家の裏口へ入って行った犬が、内から聞える女の声に呼び込まれて行ったのは、それから大分経ってからであった。
「しかたがないじゃないか、こんなに足を汚して。」
埃函などの幾個も出ている、細い路次口に佇んでいる細君の耳に、そんな声が聞えたりした。
晩方に細君は、顔などを扮って、きちんとした身装をして、そこへ出向いて行ったのであった。
十八
浅井とお増とが、子供に贈る羽子板や翫具などをこてこて買って、それを帰りがけに食べた天麩羅の折詰めと一緒に提げながら、帰って来たとき、留守を預かっていたお増の遠い縁続きにあたる若い女が、景気よく入って来るその跫音を聞きつけて、急いで玄関口へ顔を出した。
「お今ちゃんただいま。」
鼻を鳴らして絡わりつく犬をいたわりながら、鉄瓶の湯気などの暖かく籠った茶の間へ、二人は冷たい頬を撫でながら通った。
「あなたがたが出ておいでなさると、すぐその後へ女の人が訪ねて来たんですよ。」
お今はそこへ持ち出していた自分の針仕事を、急いで取り片着けながら、細君の来た時の様子を話し出した。
「へえどんな女?」