Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「今年ほどつまらないお正月はございませんでしたよ。」
お今は次へさがって、行李から取り出して来た土産物を、そこへ出すと、やっと落ち着いたような顔をして言い出した。
「それに、行って見て、つくづく田舎の厭なことが解りましたわ。どんなことをしても、私東京で暮そうと思いましたわ。」
「それじゃ、やっぱりこっちで片着くのさ。」お増は無造作に言った。
「お婿さんはどんな人。もう縁談がきまったの。」
お今のことがまだ思い断れずにいる、その男の縁談のまだ紛擾いている風評などが、お今の耳へも伝わっていた。
四十一
婿に定められようとしたその男の、両親たちなどとの間の、擦れ擦れになった感情が衝突して、お今の上京後一人で東京へ逃げ出して来たという事実が、じきにお今にあててよこした、その男の手紙で知れた。
室鎮雄と署名されたその手紙の文句は、至極簡短であったが、お今を慕う熱情が、行の間にも溢れていた。室はやっと二十四になったばかりであった。……一度あなたに直接お目にかかって、胸にあることだけを、十分聞いて頂きたいと思います。僕はそれで満足を得られます……そんな卑下した言が連ねられてあった。