Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
「己が結婚前の娘を手元において、どうしようというのだ。お今には、室という者もある。」
浅井は鼻頭で笑っていたが、病院へ来てから、どうかすると二人きりの浅井とお今とを、家に遺しておくような場合の出来るのが、お増には不安であった。
「父さんと姉さんと、ここで何のお話していたの。」
病人の側につけておいたお今が、交替に出て行った後などで、お増は怜悧そうな曇んだ目をして、自分の顔を眺める静子に、そういって訊ねたりなどしたが、子供からは、何も聴き取ることが出来なかった。
来ようの遅いお今を待ちかねて、お増は病人を看護婦にあずけて、朝から籠っていた息だわしい病室を出て来た。
外はもう大分更けていた。空にはみずみずしい星影が見えて、春の宵らしい空気が、しっとりと顔に当った。
腕車から降りて、からりと格子戸を開けると、しんみりした静かな奥の方から、お今が急いで出て来たが、浅井は火鉢の傍に何事もなさそうに寝そべっていた。晩飯の餉台がまだそこに出ていた。
四十五
入院してから三週間目に、ある暖かい日を選んで、静子が家へつれられて来るまでに、室も一、二度気のおけない病院を見舞った。