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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

お増がそこいらから見つけだして、お今のために取り纏めようとした品物は、大抵お今には不満足であった。お今はお増の鏡台や、櫛笄だの襟留だの、紙入れなどのこまこました持物に心が残った。

「私が新しく買ったら、それをあなたにあげますがね、当分それで間に合わしておおきなさいよ。鏡立てがあればたくさんですよ。」

お増はそう言って、長火鉢の傍で莨を喫していたが、お今の執念が絡わり着いているようで、厭であった。

いつまでも自分の部屋で、何かごそごそしていたお今は、やがて人顔の見えなくなったころに、すごすごと家を出た。

「静ちゃん、さよなら。」

お今は荷物などを作る自分の傍に、始終着き絡って離れなかった静子に声かけながら、門を離れて行った。

その翌日朝早く、お今は何やら忘れものをしたとか言って入って来ると、自分の居馴れた部屋の押入れなどを、そっちこっち掻き廻していたが、お増は黙って見ていた。

「今のうちなら、幾度来たってかまやしないけれど、旦那が帰ってからはいけませんよ。」

お増は駄目を押すように言って聴かせた。

「ええ、大丈夫来やしませんとも。」

お今は昨宵一晩自分の身のうえなどを考えて、おちおち眠られもしなかった体の疲れが、白粉を塗った、荒れた顔の地肌にも現われていた。