Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
お増の顔色を見て、浅井の側を離れて行ったお今は、衆と一緒にそれに聴き入っていたが、甲高な謳の声や三味線の音に、寂しい心が一層掻き乱されるだけであった。
「運動がてらみんなでそこまで送ろう。」
帰りかけようとするお今に、浅井は言いかけた。浴衣のうえに、羽織を引っかけて、パナマを冠った浅井に続いて、お増も素足に草履をつっかけて外へ出た。
暗い町続きを三人はぶらぶらと歩いていた。空には天の川が低く流れて、夜がしっとりと更けていた。
「一人帰すのは可哀そうだ、別荘まで送ろう。」
浅井は笑いながら、どこまでもとついて来た。三人はお今の宿のすぐ二、三町手前まで来ていた。
「いけませんよ。入浸りになっちゃ困りますよ。」
お増は笑いながら、とある四ツ辻の角に立ち停った。水のような風が、三人の袂や裾を吹いていた。
五十四
室がちょいちょい訪ねて行くお今の二階へ、浅井もお増と一緒に行ったり、静子を連れたりして、たまには顔を出した。
室の身内にあたるという出張店をあずかっている若い男が、お今のことでちょいちょい浅井を訪ねて来てから、浅井もおのずからその話に肩を入れないわけに行かなかった。