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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらじょたい

日本の文学 9 徳田秋声(一)

徳田 秋声

Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme

Aozora Bunko

結納の目録などが、ある晩浅井へ出入りする物知りの手によって書かれたり、綺麗な結納の包みが、その男の手によって、水引きをかけられたりした。やがて、そんな品が、下座敷の床の間に景気よく並べられた。お芳夫婦から祝ってくれた紅白の真綿なども、そこに色を添えていた。

「気持のいいものね。」

お増は座敷の真中に坐って、それを眺めながら呟いた。

二、三日前から、またこっちへ引き移って来ているお今は、そんなものを持ち込まれるたびに、気がひけるようで、不安な瀬戸際まで、引き寄せられて来た自分の心が疑われて来たが、やはり避けるわけに行かなかった。

「私ほんとに厭な気持がして、しようがないのよ。」

お今はお増のいないところで、溜息を吐きながら浅井に言いかけたが、浅井もしかたがないというように、黙っていた。

台所の隅などに突っ立って、深い思いに沈んでいるお今の姿が、時々お増の目についた。

「お今ちゃん、お嫁に行くのが厭になったんだね。」

お増は気遣わしげに訊ねた。何か、思いがけない破綻が来はしないかという懸念が、時々お増の心を曇らせた。

「進まないものを、私だって無理にやろうというんじゃないのよ。