Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
それはもう子の刻に近い比であった。寝所のすぐ前の築山の木立の陰に入って、じっと木立の内の暗い処を見廻わしたが別に異状もないので、そこにあった岩へ腰をかけた。
と、その時、寝所の南縁の月の光の射している雨戸が微かな音を立てて開いた。六郎は曲物と思ったので、己の体を見せないようにと、ちょと己を見返って、それが木立の陰になっているのを見極めると、急いで雨戸の方へ眼をやった。
被衣のような物を頭からすっぽりと着た女姿の者が開けた雨戸の口に立っていた。六郎はもう腰を浮かしていた。そして、その曲物を手取りにしてやろうと思った。
女姿の者はじっと四辺に注意するようであったが、やがて体を軽がるとさして庭へおりた。その白い足は沙に触れた。そして、女姿の者は後向きになって雨戸を締めてから急ぎ足になって右の方へ折れて往きかけた。
六郎は跫音をたてないように木立の陰に添うて追って往ったが、機を見たのでそのまま飛びかかった。
女姿の者は驚いて逃げ走った。六郎はひとひしぎに執り押えようとしたが、逃げられたので気をいらだたして、
「待て」
女姿の者はすこし前に走ってから右の方へ折れた。