Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
しない、もし、邪魔になると思や、警察なり、どこなり、云って往けって、たんかをきってやったのだ」
「それで、奴さん、何と云った」
「何人が何と云っても、今度は承知しない、これは何人に聞かしても、私の方が正当だから、断然処分する、どうかこの事は、ほうっといてくれと云うのだ」
「そうか」
左側には二十五六の頭を角刈にした壮い男がいた。角刈はその時口を挟んだ。
「また荒療治をやるかな」
揉あげがそれに応じた。
「そうだな、君がまた三四月往って来るか」
「どうせ往かなけりゃ、物になるまい」
「今なら往っても、暖かいからいいな」
「俺をやっといて、おめえは、新井宿の奴の家で、納ろうと云うのかい」
二人は笑いあった。丹前は盃を持って飲みながら考えていた。
「待て、待て、俺に考えがある」思いだして、「まあ、飲みな」
「そうだ」
揉あげは銚子を引き寄せて空になっている己の盃へ酒を注いだが、酒はぽっちりしかなかった。丹前がそれを見た。
「酒がなけりゃ、呼べ」
揉あげは手をたたいた。そこは池上本門寺の丘つづきになった魁春楼と云う割烹店の離屋で、崖の上になった母屋から廻廊がつづいて、それが崖に倚ってしつらえたあちらこちらの離屋に通じていた。