Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
「へんな、壮士のような男が、二人来てるのだよ」
「それが、どうしたの」
「それがたいへんよ」
「どうしたの」
「どうって、ここの奥さんよ」
「奥さんが、どうしたの」
「汝さん」周囲に眼をやって、「男があるのだって」
「まあ、奥さんが」
「そうよ、大森の料亭かなんかで、男といっしょにいるところを、今来てる男に見つかって、書きつけを執られたって」
「ほんと」
「ほんとだとも、だから、人の亀鑑になる家のお媽さんが、男をこしらえるなんて、ふざけてる、追んだしてしまえと云ってるのだよ」
「旦那にそんなことを云ったの」
「云ったとも、それに奥さんと男の執りもちをしたのは、あのお杉さんだって」
「まあ、お杉さんが、呆れた人だね、それで、男って何人だろうね」
「馬の脚、馬の脚って云ってたから、俳優じゃないだろうかね」
「そうね、馬の脚って云や俳優だろう、だが奥さんがそんなことをするだろうかね」
「判らんが、奥さんはへんだから、店の平どんだって、どうしてるか判らないよ、よく伴れて歩くじゃないか」
「そうね、お蔵なんかへ伴れて往くことがあるね」
「そうだよ」
「それで、奥さんは、どうしてるの」
「いないのだよ」