Japanische Klassiker mit Furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.678 Zeichen · 394 Bildschirme
ちゃぶ台の向いには髪を櫛巻にした、主翁よりも一まわりも年下に見える目の下に影のあるお媽さんが酒の対手になっていたが、お媽さんは新吉のおりて来るのを待ちかねていたという容であった。
新吉はみょうな笑方をしながらその横手へ来て蹲むようにした。
「媽さん、頼みたいことがあるがね」
お媽さんもみょうな笑方をして新吉の顔を見た。
「好いとも、なんだね」
「親子を二つ執ってもらいたいが」
「好いとも」
と、云ってお媽さんは急に声を細めて、
「おとり膳でやろうと云うのだね」
「まあ、そんなもんだね」
新吉も小さい声で云った。
「おい、新ちゃん、ばかに好い女じゃねえか、何かい、また拾って来たのかい」
主翁が脂のぎらぎらした頭を近くへ持って来た。
「今日はまんが好かったよ、ちょと好い女だろう」
「好い、好い、あれならしこたま入るのだね、やっぱり田舎かい」
「そうさ、水戸のさきから飛び出して来たと云うのだ」
「口はあるかい」
「千葉の方にも、このあたりにもあるよ」
「彼奴は、三百両から下ではだめだぜ」
「そうだな、こっちのほうの口なら、それくらいは出すだろう、しかし、まだ海のものとも山のものとも判らないや」