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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

半七は朝飯を済ませて、それから八丁堀の旦那(同心)方のところへ歳暮にでも廻ろうかと思っていると、妹のお粂が台所の方から忙がしそうにはいって来た。お粂は母のお民と明神下に世帯を持って、常磐津の師匠をしているのであった。

「姉さん、お早うございます。兄さんはもう起きていて……」

女中と一緒に台所で働いていた女房のお仙はにっこりしながら振り向いた。

「あら、お粂ちゃん、お上がんなさい。大変に早く、どうしたの」

「すこし兄さんに頼みたいことがあって……」と、お粂はうしろをちょっと見返った。「さあ、おはいんなさいよ」

お粂の蔭にはまだ一人の女がしょんぼりと立っていた。女は三十七八の粋な大年増で、お粂と同じ商売の人であるらしいことはお仙にもすぐに覚られた。

「あの、お前さん、どうぞこちらへ」

たすきをはずして会釈をすると、女はおずおずはいって来て丁寧に会釈した。

「これはおかみさんでございますか。わたくしは下谷に居ります文字清と申します者で、こちらの文字房さんには毎度お世話になって居ります」

「いいえ、どう致しまして。お粂こそ年が行きませんから、さぞ御厄介になりましょう」