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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょくばだんの「トッテンカン」

曲馬団の「トッテンカン」

下村 千秋

Lesen Sie 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 16.620 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

十

そう思うと新吉はまた一人でおかしくなり、ますます元気づいて、それでますます芸が面白くなりました。

それから新吉には「トッテンカン」というあだ名がつき、「曲馬団のトッテンカン」というと、どこへ行ってもたいへんな人気ものとなりました。

十

朝から夜中まで、まっ黒けになって働いていた新吉も、今は、象使いの名人、曲馬団のトッテンカンとなって、この大きな曲馬団の人気を一人で背負って立つほどの人気ものとなり、見物人の前で芸をする以外には、何一つからだを動かさなくてもいいようになりました。そうして甲府の町へ小屋を張ったときには、「曲馬団のトッテンカン」という評判だけで、見物人は毎日ぞくぞくとおしよせて来ました。

新吉は得意の絶頂にいました。

さてある日のこと、それは九月のはじめのことでした。新吉は、象のファットマンの外に、きえちゃんとわか姉さんという二人の竿上りの芸人と仲よしになっていましたが、きえちゃんの方が、その前の日から目まいがして、その日の芸が出来そうもなくなりました。きえちゃんはその前日、芸をしくじったので、その罰として御飯を一日に一度しか食べさせられなかったのです。