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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょくばだんの「トッテンカン」

曲馬団の「トッテンカン」

下村 千秋

Lesen Sie 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 16.620 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

四

新吉は、かさぶた頭の赤ん坊をおぶって、耳もとでぎゃんぎゃん泣かれながら、その声のしずまるまで、店の前を何十ぺんでも行ったり来たりしていなければなりませんでした。そのうちに曲馬はおしまいになってしまうだろう。

新吉はとうとう、火の見の下の暗いところへ立って、ぽろりぽろりと涙をこぼしました。

四

しかしつぎの夜は、新吉は町の風呂へ行ける番でした。曲馬の楽隊はもうとっくから、すばらしいにぎやかさで鳴りひびいて来ています。新吉は夕飯をかみながら外へとび出しました。そして風呂屋とははんたいの曲馬の方へ、自分にもこんなにはやく走れるのかと思うほどはやく、まっ黒な顔をふり立てながら、まるで風のようにすっ飛んでいきました。

行って見て新吉はびっくりしてしまいました。何というすばらしい光と色のお家でしょう。テントのてっぺんからは四方八方へ、赤と青の電灯の綱がはりわたされて、それが湖から吹いて来る夜風にゆらりゆらりとゆれかがやいています。テントの正面には、金と銀との垂れ幕が下がり、絵看板がならび、赤と黄と青との旗がそれをかこみ、きらきら光る電灯が何十となく照りかがやき、その中に楽隊がわきたつようなひびきをまき起こしているのです。