Japanische Klassiker mit Furigana
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きょくばだんの「トッテンカン」
曲馬団の「トッテンカン」
下村 千秋
Lesen Sie 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 16.620 Zeichen · 34 Bildschirme
十三
これは見ていてもはらはらする芸で、芸をする当人にも一番むずかしい芸でした。
新吉はまず足を放しました。それから手を放そうとした瞬間です。頭の方がぐらりとゆれたかと思うと、そのまま、サァッ――と落ちて来ました。
「あっ。」とわか姉さんは叫びました。そして竹竿をほうり出すと、両手をひろげて新吉のからだを受け止めようとしました。が、勢いついた新吉の身は、わか姉さんの手をすり抜け、ファットマンの頭にぶつかると、もんどり打って下の板敷へ、まっさかさまにたたきつけられた、と思ったその刹那です。ファットマンは、その長い強い鼻をぐいと差し延べて、新吉のからだをふわりと宙で受け止めてしまったのです。
十三
見物人はいつか総立ちになっていました。そして新吉のからだが、ファットマンの鼻の先でみごとに救い上げられたとき、見物人はどっと声をあげてよろこびました。見物人は、新吉が芸をしくじったことなどはすっかり忘れて、危機一髪というとき、ファットマンの長い鼻がうまく食い止めたということを、涙を流さぬばかりによろこんだのです。
けれど見物人は、次のような光景を見て、びっくりしてしまいました。