Japanische Klassiker mit Furigana
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きょくばだんの「トッテンカン」
曲馬団の「トッテンカン」
下村 千秋
Lesen Sie 曲馬団の「トッテンカン」 (きょくばだんの「トッテンカン」) von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 16.620 Zeichen · 34 Bildschirme
「この鬼め、この罰あたりめ、首でもくくって死んでしまえ!」
青くなって叫んでいる新吉を、団長はただにやにや笑って見ているばかりでした。
次の日、わか姉さんは新吉をものかげへ呼んで、こう言いました。
「新吉さん――トッテンカンなんて呼ぶのは止しましょうね。もとの新吉さんになって、そして、この曲馬団から逃げ出してしまいなさいよ。そしてお国の町の鍛冶屋さんへおかえんなさい。」
「僕もそう考えたのだけど、あの鍛冶屋のおやじのところへ帰るのはいやなんだ。」
「じゃ、どこかほかにない? 新吉さんを引き取ってくれるところが。」
「東京に叔父さんがいるの。僕の姉さんもそこにいるから、僕そこへ行こうかしら。」
「それがいい。お金も少しばかりわたしが上げるからね。ここにいつまでもぐずぐずしていたら、新吉さんも、あのきえちゃんのような目にあわされるにきまっているから。」
「この曲馬団に入る前に、わか姉さんにいわれたことが、僕今になってやっとわかったよ。それで、わか姉さんはどうするの?」
「わたしはわたしで、ほかに考えていることがあるから、わたしのことは心配しないでいいのよ。」
二人はそう話し合って、その夜は小屋の隅へ、テントをゆすぶる秋風をききながら寝ました。