Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
「あの、今向うへ行った、仲間のあとを尾けておくれ」
「じゃ今ここで、黒頭巾を被ったお武家を乗せたあいつですね」
「そうそう、切通しの方へ真っすぐに駆け出した」
先の足どりが早いとみえ、やがて暫くの間は激しく揺れに揺れて、駕の中の先生は舟にある思いをしています。
ぎッと、駕の足が止まったかと思うと、
「旦那、先のお武家が下りましたが、どうなさいますか」
「なに、下りたかい? それではわしも此処から歩くとする」
駄賃を払って、そこの曲がり角から暗い坂をスタスタと下って行く。彼の先には、覆面をしたお蝶の姿が見えました。そして、そこは例の切支丹坂――
お蝶の足は坂へ向って、加速度に早くなりました。歩調が激しくなるにつれて彼女の影も男性的な活溌の度を増して見える。
いや、活溌どころの沙汰ではありません、獄門橋の先まで尾けて行った馬春堂は、次の瞬間に、あッと言ったきり、掌中の玉を失ったように、やや暫くというものは其処で開いた口がふさがらない。
もうお蝶の姿は、彼の視界の届かぬ所に逸していました。椋の大木の梢から丈余の高塀を跳び越えて、切支丹屋敷の中へ紛れ込んでしまったのです。