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Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「鼻から提灯を出していたぜ、随分よく寝ていたようだな」

と、彼は次郎の寝ぼけ眼を笑いながら、今外から帰って来たばかりらしく、羽織を壁にかけて火鉢の前に坐り込んでいます。

「おじさん、急用があるんだぜ、今話すから待っていておくれ」

次郎はその間に、元気よく、夜具を押入れの中へまるめ込むと、流し元へ走り出して、ほんの真似事だけに顔を洗って来て、

「何と言ったッけ……そうそうお蝶だ、切支丹屋敷のお蝶という女だ」

「それがどうかしたというのか?」

「おじさんはあの娘を、去年から血眼で探し歩いているんじゃないか」

「おめえも小耳に挾んでいたろうが、お蝶と日本左衛門の隠れた先が、皆目知れないので弱っているのだ」

「ところがそのお蝶に、おいらが昨日出会ったんだよ。それで、もう夜半だったけれど、此処まで急いで知らせに来たところが、部屋の者もおじさんも留守なのでガッカリして寝てしまったのさ」

「ほんとうか、次郎」

「ウソなんか言うものか」

「そいつが真実なら有難い話だが」

「お蝶ばかりでなく、おじさんが今言った日本左衛門の隠れ家も、おいらはちゃんと突き止めて来ているよ」

「えっ……」と、釘勘も目明しの本業をこの少年に出し抜かれた驚きよりも、意外な吉報に思わず膝を立てて、彼がつぶさに話すところの率八の家の位置や、そこに現れた覆面異装のお蝶の行動