Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
二人の間へ、横から顔を伸ばして言う。
「ふウむ、何処で?」
「お茶の水の底へ降りて、夜になるのを待っていれば、きっと親分がやって来ます、今日まで毎晩、そこへ行く事を欠かした事はありません」
「何しに行くんだ、そんな所へ」
「何しに行くのか、俺にも分らねえが、毎晩舟で送って行くと、あの谷間にある洞穴へはいって行きます。そして、帰って来るのは明け方なんで」
「へえ、そいつは初めて耳にした」
「だけれど、親分も今夜からは、俺が居ないで不自由だろうな。きっと暫くは、そこへ行くのも止めるかも分らない」
「何しろ、そのうちに、折を見て一つ行って見ようじゃねえか。その時は、案内だぜ」
二人に尾いて歩きながらも、率八はうろうろと後ろばかり振返っている。逃げるからには、人通りのない方へ行くのだろうと考えていた彼の想像は違って、雲霧と四ツ目屋は、鎧の渡舟から茅場町まで一息に急いで、それから先の縁日の人混みに交じると、初めて足を緩めました。
「おい率八、空き腹だろう、食いたい物は何がいい?」
「ありません、沢山です」
「意気地のねえ奴だ、元気を出せ」
「縁日を歩いていると、みんな女房や子供を連れて、楽しそうに歩いていますね」