Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
ところが、その一瞬です。
ザザザザッ――と嵐山の上の方から、風の神でも降りて来るように、あわただしく熊笹の戦きが聞こえたかと思いますと、程さらぬ崖の方から同じ道へ、ぽんと飛び降りた一人の男がある。
倔強な体躯に、大反り打った大小、覆面黒装束というこしらえも、この男こそふさわしく見えます。
――と、その山猫のように捷ッこい男の嵐が、そこをサッと吹いたかと思うまに、
「ああッ……」と、身をよろめかしたのは万太郎で、突然来たその男に、肩を突き飛ばされたものと見えました。
と言って男は、そこを一顧もするでもなく、何に慌てているのか一目散に、そのまま鵲橋の方へ疾風のように身を飛ばそうとするのを、
「待てッ」
一飛躍して追いかけた金吾が、その長反りの刀の鐺を、力まかせに引止めました。
鐺をつかまれた相手の男は、慌てもせず、ガッシリしたその体躯をひねって、
「ちぇッ」
舌打ちを鳴らしながら、金吾の襟がみをつかんで無造作に振回そうとしかけました。
小兵なりといえど金吾、さはさせじとあるべきところです、その手をパッと払い上げると、両々の体が相迫っている機をすかさず、雷霆の早さで体当て一本、