Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「おッと、止せやい」

「何をいッてやがる、乞食かッ貴様は」

「止せったら、馬春堂。おれだよ、おれだよ」

手を捻じられながら、笠のつばを上げて顔を見せたのは、下谷溝店で同じ長屋のわるさ仲間、道中師の伊兵衛でありました。

「なあんだ、おめえか」

「折角の誂らえ物を冷たくしちゃ勿体ねえから食べてやったのよ」

「よけいなおせっかいだ、風邪を引いた気味なのでワザワザ熱くして頼んでおいたものを」

「何でまた酔狂に、春先から風邪なんぞ引きこんでいるんだ」

「それもお前に頼まれた一件からだぜ」

「どうして?」

「お粂の家で水を打っかけられたのよ」

「じゃ、例のを探りに、行ってくれたのか」

「ところが、その方の首尾は散々でな」

と、馬春堂は伊兵衛の期待へあわてて手を振って、

「まあ、こっちへ這入ってから話すとしよう」

風防けの蔭へもぐり込んで、火鉢代りの摺鉢の火をほじり立てます。

「おめえが頻りと気にしているから、実は今日お粂の家へ様子を見に行った。ところが御安心なものさ、その金吾は病人で腰が立てない」

「それじゃ、あの仮面箱をおれに攫い奪られても、今のところじゃ、取り返そうとしておれを尾け狙っているような気ぶりはまずねえな」