Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
※(ローマ数字6、1-13-26) またピオの通信は千六百〇三年――日本慶長八年の記号を最終としてたえたるも、絶対にかれは日本政府に捕われたるものにはあらず、その後の天草支会の報告書を綜合するもすべてそれに一致すればなり。
「こう書いてあるのです、その羊皮の裏表紙にも――」
と、ヨハンは、お蝶にもわかることばに訳して、諳で読んで聞かせてから、
「――つまり、日本にない鶏血草の花が、一輪でも、この国のどこかにさいていれば、そこはピオ様の居たところか、終焉の地にちがいない……こう羅馬の人たちは考えました」
「あ、それで私も思い出した」
お蝶は、その種子と羊皮の文字を手の上に見つめながら、
「お父さんも、こんな草の種子を、春の彼岸、秋の彼岸がくるたびに、しきりと蒔いていたことがあります」
「オオ、じゃこの山屋敷にさきましたか」
「いいえ……だめなんです、いくら土や日あたりのよい所に蒔いても、いちども芽を出したことがありません」
「二官殿は何といっていました」
「最後に、もう一粒しかない、この一粒でさけばお前に羅馬の花を見せてやることが、できるが……となげいていましたが、とうとうその一粒をなくすにはしのびないといって、蒔かずに、どこかへ取っておいたようですけれど……」