Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
と開き直りました。
「ウム、まだその兆候は見えていないが……」
と、老人は憂色を声にあらわして、
「ほっておけば、やがて、あの縹緻がいよいよ美しくなると共に、やがて、血を吐いて死ぬ!」
と、いい切りました。
久米之丞は、こは怪しからんという風に肩を張って、
「な、なぜでござる」
「それが、癆※(「やまいだれ+亥」、第3水準1-88-46)の特徴じゃからしかたがない」
「しかし、まだ病気の兆候も見えないうちに、なんで月江殿の運命が、左様に呪われたものといい切れますものか」
「それは、狛家の系図が示している」
「はて、不審なおことば」
「お前は他家の者ゆえ、そこまで深刻に考えついておらぬかも知れないが、わしに取ってみれば、もうあの月江は一つぶ種、何よりそれが案じられておるのじゃ。……当家の系図が示すところによると、代々、不思議と女が夭折しておる。それもみんな美しく生れて、美しい盛りに血を吐いて! ……」
「血を吐いて?」
と、鸚鵡返しにつぶやいて、久米之丞は暗い色をその顔にただよわせる。
千蛾はしんみりと語をついで、
「しかし、不治の病といえ、治する薬法のないことはあるまい。