Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
ここから見りゃ、まだ切支丹屋敷の方がよッぽど歩きいいくれえだ」
体の木の葉をハタきながら、抱えて来た包みをそこへ押ッぽり出し、脚絆、草鞋、手甲などを取りひろげ、ゆうゆうと、旅支度にかかり出します。
おや?
変な男が来やがった。
旅支度をしているじゃないか。せかせかと、妙にあたりをキョロつきながら。
それもいいが、勿体なくも石神様にお尻を向け、道中差や合羽までかかえて来て、何だッて、こんな所で支度をするのか?
「怪しいやつ」
次郎は目を丸くして、喜連格子の内からジッと息を殺していましたが、やがて、すっかり身づくろいして、キリッと裾を端折った男の顔を見るに及んで、
「あっ……あん畜生」
と、二度ビックリです。
それは次郎より一足前に、酒席を抜け出していた道中師の伊兵衛で、ひそかに自分の手廻りをかきあつめ、ここで衣裳を更え、草鞋の紐をしめたのは、すべて、彼としては予定の行動。
この堂宇の内に納めてある洞白の仮面箱を盗み返し、離れの密室にいる馬春堂を助け出して、この高麗村におさらばを告げる方寸と見えました。
ここは、「那須の与市西海硯」の奥庭の書割にでもありそうなさびしさ。