Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
金吾の記憶にも、この真土山には、金龍山草創前の水郷民族のあとや、土師の住んでいた穴や、舟止めの水洞があるなどということは聞き知っていたが、その洞穴の跡も、この山の土をくずして日本堤を築いた時にあらかたは削りとられて、今では知る人もなくなっていると思っていました。が、しかし、今この材木場の奥に突き当って、そこに眺めた深い暗やみはたしかにその一ツで、俗に、聖天の河ッ童穴といった跡にちがいない。
「相良さん、これから先は、あまり口数をきかないように。それと、武家言葉は禁物ですぜ」
「ム、承知いたした」
金吾は心得てうなずいたが、これはむずかしいと、自分でも思いました。今の返辞からしてすでに固い武家口調がぬけてない。
「じゃ……」と、あとは、目まぜで、釘勘は委細かまわず先に立って洞窟へ入る。と、そこに裸火を立って、なぐさみをしていた男どもが五、六人、銭の音をザラザラとさせて、
「だれだッ?」
と鋭い咎め声をガンとひびかせました。釘勘はすました顔で、
「穴番、今日は御苦労だな」
「どこから?」
「古河の重兵衛よ」
「あ、古河重さん。で、うしろの方は?」
「村山の彦七。途中で一緒になったので、不案内だというから連れて来た」