Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
「留守か……」
がっかりして辺りを見廻していると、ちょうど鍛冶小屋の横手にあたって、たれか、洟をすするような泣き声がもれる。
何の気もなく、万太郎は、静かにそこへ足を運んで行ったのです。
見ると、羽目板の裾に、犬のようにうずくまッている少年がある。
顔は見えないが高麗村の次郎でしょう。次郎は太陽に謝まッているように、膝をかかえて泣いていました。
たれか近づいて来た跫音に、ふと顔を上げた高麗村の次郎。
この辺では見かけない人品のいい侍が、ジッと編笠のうちから自分を見つめておりましたので、いかにも間が悪そうにあわてて、涙の目をそらす。
万太郎はそれへ立ち止まって、
「お前はこの鍛冶小屋の小僧か」
と、驚かぬように、やさしく声をかけて見ました。
暫くこッちを向きませんでしたが、やがて次郎、涙をかわかして、
「おいらかい?」
「うむ、少々道をたずねたいのだが……」
「ああ、道に迷った人か」
「高麗の郷というのはこれからどう行ったらよいのか、お前は存じておらぬか」
「高麗村へ行くの? おじさん」
「そうじゃ、そこの御隠家様と申す屋敷をたずねあぐんで、昨日からこの辺を迷うている。