Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
中入です。
土間の見物や中売りの声が、にわかにガヤガヤしはじめると共に、楽屋の内でも足の踏み場もないような混雑。
ここ大入りつづきで、ほくほくものの太夫元は、この興行に見込みがあると見て、旅先から手踊りの女芸人を数名買い込んで来て、粂吉の前座に景気をつけている。
その白粉ぎたない女達が、鏡台をならべて、脱ぎ捨てた衣裳のなかに行儀わるく坐っている所へ、すしを食べ散らした錦出の大皿や、たばこ盆や、団扇や、乱れ箱やらが雑然と同居していて、舞台と楽屋の間を往来する道具方の黒い足が、それをまた感傷なくズカズカと踏んづけて通ります。
お粂の嵐粂吉は、その突き当りの二畳ばかりな狭い場所に、一枚のビラ幕を下げて鏡台をひかえていましたが、そこへ一人の出方が腰をかがめて、
「太夫さん、妙な子供がやって来て、熱海に居たお粂さんに会いに来たんだといっていますが、お知り合いなんですか」
もろ肌を脱いで、刷毛をはいていたお粂は、それを聞くとニッコリ笑って、
「来たかえ? あの山男のような子だろう」
「そうです、太夫さんから何か言伝がしてあるそうで」
「あ。ここへ、連れて来ておくんなさいな」