Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
平の暖簾を出ました。
町は宵の灯。
もう土蔵の柵につないであった、月江の白駒は乗り人と共にその姿が見えません。
――と向うの葉柳の蔭に佇立んでいた年配の武家が、質屋の門を出て来た浪人を待ち設けていて、
(ここだ、ここだ)
というふうに手招ぎをする。
黙って、向う側へ寄って行った編笠と、待っていた丸縁の笠と、やがて肩をならべながら千人町の宵を歩き出しましたが、そのあとに尾いて二人の会話を聞いてみますと、
「――そうか、じゃあ今そこを出た二人は、あれから高麗村へ戻らずに、すぐ女のあとを追いかけて行ったんだな」
「そうらしいよ、小仏へ向ったから」
「だが、夜半にかけて、山越えもしやしめえ」
「今夜のうちに、麓の立場まで捗を取っておくつもりではないか」
「なるほど」
「ところで、こッちの方寸は」
「この質屋で姿を更えて行った女が、切支丹屋敷のお蝶ということが分った以上、何もあわてることはない」
「ウム、いわば袋の鼠だからな」
「悠っくりと、高麗村の者に尾いて行って、あの二人の素人仕事の手際を眺めていようじゃねえか」
「じゃ、こッちはその上の手段とするか」
「そうよ」
と、一方の編笠は星を仰いで、