Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
外の者はここを切支丹屋敷とよび、内部のものは山屋敷と呼んでいる。もとは宗門奉行の屋敷でしたが、今は数町四方を囲った石垣と九尺の板塀と、自然の森と藪とを残して、内部にはわずかな番所、役宅、お長屋、官庫、井戸、埋め門などが散在しているに過ぎません。
それと、たった一つの異人牢屋。
あとはすべて畑です。
人参が作られてある。大根畑がある。茶の木がある。ぼたんに霜が除けてある。果樹園がある。
そこへは時々、百舌、山雀、文鳥、ひわ、目白、さまざまな小鳥がブチまけたように下りて来て、日ねもす歌っている。
世間で思う切支丹屋敷とはまるで違っている。
一口に、山屋敷といえば、水責め火責めの拷問道具に、異人の血と陰火が燃えているように、外部の者は想像していますが、それは昔の話。
六、七十年前――元和から家光時代、天草の変以後、しばらくはそうでした。しかし、その後は、幕府の手きびしい禁教政策で、まったく、この屋敷が不用になるほど、異教者の影が絶えていました。
では、ここは空家かというとそうでもない。
今でも一人の異国人が、あなたの牢に数年間とじこめられている。その一人のために、これだけの広い場所が保存されてあるのですから、政策というものは厄介にちがいない。