Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも、お気の毒でございますが、枝珊瑚というやつは、珠にも粒にもならない屑で、白ぼけや虫くいなどを、ろくでもない飾り物などにいたしますンで……。へへへ、どちらへお持ちになりましても、とても、お値段にはなりませんです」

「ですが……」と、娘もその時は、だいぶ度胸がすわって来たものでしょう、押し返して、彫のふかい面だちを真面に白くふり向けて、

「見るだけでも、見て下さいませんか」

「へい、そりゃもう」

「自分では、たしかな、古渡りだとぞんじますから」

「え、古渡り?」

カチッ……と奥で火打が鳴ったのはその時で、いつか、暖簾の内は外より早く日が暮れている。

中仕切のさん格子に、ゆらゆらと黄色い明りがさしたので、娘の目も初めて影法師に知ったでしょう。四ツ目屋の奥には、最前から物音もさせずに、まだほかの男がいた気配であります。

小判で百両。

重目にしてもだいぶなものです。

異様な娘が、それを赤い帯あげの中にくるみ込んで、宵の町角を雷門の方へ出てゆくと、あとの四ツ目屋も戸をおろして、しとみ障子のうす明りに、「御小間物類」という字ばかりが往来に残っている。

シンとなると、裏にも表にも、落葉のあるく音がします。