Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

「うしろがあぶない?」

「日本左衛門を初め手下の奴らも、残らず甲府へ寄り集まっている様子です」

「それはわしも存じている。で、吉保に、彼等一味の召捕方を依頼しておいたから、日本左衛門らは袋の鼠、この城下からのがれ出ることはかなうまい」

それについては釘勘も、たった今、町方与力の蜂屋源之進と談合を遂げてきたところなので、二人の予備運動は期せずして一致したわけであります。

すでに、ここまでの間に、先生金右衛門はあのとおりな始末で、駒木野番所から江戸表へ差立ててあるので、幸先もよいし、甲府は二人に地の利をしめていると思える上に、万一の時には、いつでも柳沢家の手を借りうる事になったので、二人はここ数日を逸すべからざる機会と見て、忽ち、城下の巷へ姿をかくしました。

*   *   *

時刻にすると、ちょうど同じ刻限、釘勘が去ったあとの甲府町方の役宅へ、急を訴えて来た家主があります。

今朝、自分の家作うちに、人殺しがあったと近所の店子同道で訴え出たのであります。

蜂屋源之進はすぐ四、五名の下役をつれて出張しました。場所は濁川から少し東に寄った横丁、被害者は平常から律儀者といわれている、とんぼ売りの久助夫婦。