Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
自分も一緒にかくれた二人を探していたような口吻です。
金吾はこの不可解な旅人を前にして、ちょっと目睫のことを忘れながら、
「相良様といったようだが、そちは、どうして拙者の名を存じているのか」
「存じております。あなたは徳川万太郎様の御近侍、相良金吾様でございましょう」
「ウウム、いかにも自分は金吾だが、してそちは誰か」
「まったく御存知ないのですか?」
「知らぬ」
「はて、そんなはずはございませんがね」
男は笠を下へ置いて、その笠の上へすっぽりと腰をすえると、腰の煙草入れを抜き取って、
「よく考えてごらんなさいまし、そんなはずはございませんから」
小さく咲いた昼顔の花へ、脚絆の足を投げ出すと、煙管を持ったその手をひじ枕にして、ごろりと横に寝そべりました。
何という傍若無人な男だろう。
邪推をまわせば、かくれた伊兵衛を逃がすために、わざと邪魔をしに出たように考えられぬこともありません。
金吾は少し気色ばんで、
「貴様のような者に知り人はない。ここで見失ったものを探しているところ、無用な邪魔をするやつだ、あっちへ行け」
「だって、その二人は、逃げちまッたじゃございませんか」