Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme

Aozora Bunko

と、不孤庵は、よほどその時には不意を食ったものと見えて、返事がいちいち怒りッぽい。

九兵衛は徹頭徹尾あたまの下げどおしで、

「そして、お武家は正気がついたでしょうか」

「解毒を与えたが効がない、どうもあれは妙な容体じゃ」

「じゃあ、あのままいまだに眠ったきりですか」

「で、やっと、蘭薬のしびれ薬にあてられたものと診断がついてな、そのような手当を加え、なんのこともなく気がついておる」

「へえ、そうですか。イヤ大きに有難うございました。じゃあ夜中おそれいりますが、ひとつそのお武家の部屋へ御案内を願いたいもので」

「連れて帰らっしゃるか」

「そいつは大きに当惑します。何しろもう夜半の丑刻、これからあの方を連れ出しても泊めてくれる宿屋はありません」

「それでは何としなさる気かの」

「お武家様にお目にかかって、夜明けを待っておいとまいたします考え」

「怪しからぬことを言わっしゃい、わしの屋敷は旅籠ではござらぬぞよ。即刻、連れて帰るというのならば呼び起しても進ぜるが、さもなくば、明朝薬礼を持って改めて出直して来さッしゃい」

と、相手はいよいよ気色をまずくして、取ってもつけない無愛想です。