Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
ませんが、それにしても、その泣きようが、あまり意気地なく、はしたなく、取乱しきっております。
やはり酒が泣かせるのでしょう。
で、涙がつきると、ほんとに酒の苦しみが来ました。その苦しみが薄らぐと、こんどはゆうべからの疲れが手伝って、ぼうとあたまに靄がかかる。
ぐッすりと深い寝息――
やけのやん八のあばれ仕舞はいつも狐つきのように寝るものと相場がきまっていますが、あとのさびしさが思いやられる。
何しろそれから長い時間、お粂を起こすものもありません。
だいぶ時刻が立ったのでしょう。掛小屋の西側に、蓆の目を漏れる、暑い西陽が、さして来たころです。
「やい、起きろッ」
「起きねえか、ふてえ阿女だ」
こういって、正体のないお粂の肩を不意に蹴とばした人間がある。
お粂は、座蒲団の山と一緒に蹴くずされて、そこに、しどけない自分の姿と、自分を取りまいて、筋文身の腕をまくり上げている土地の長脇差らしい五、六人を見出しました。
まだ赤い寝ざめの目尻をつりあげて、
「何をするのさ」
言うそばから、また一人が足をあげて、
「いいかげんにしやがれ、てめえのような旅烏に、土地の興行をいいようにかきまわされちゃ、おれ達のつらが立たねえ、どうするかみていやがれ」