Japanische Klassiker mit Furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lesen Sie 江戸三国志 (えどさんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 577.271 Zeichen · 1141 Bildschirme
「時に尾州家には、万太郎と申す愉快な男があったが、その万太郎は健在であるか」
と話題を変えて問い初めました。
吉宗が大統をうけてから、万太郎はまだ一度も新将軍に謁を賜っておりませんので、義通は、今日の拝賀をよい機に彼を伴って来ております。
その万太郎が、高麗村の放浪を最後にして、にわかに、勘気をうけている江戸表の上屋敷へ帰って来たのには、何か目企みがある事にちがいないが、上屋敷ではその前に、洞白の仮面が届いておりましたので、勘気も不問の形でそのまま、春を迎えました。
また、彼や金吾が高麗村を出る際、共に江戸表に連れて来た月江とおりんは、それより前に、洞白の仮面を持って江戸へ上っていた次郎と共に、今では根岸の下屋敷の方へ預けてあって、その身辺のことは一切釘勘にまかせてあるのですが、それやこれやの経過を察するに、万太郎の胸には今、何か一つの画策が立って、そのため暫くの神妙を装っているのではないかと思われます。
「なに彼を同道してまいったというか。なぜ目通りへ連れて来ぬのじゃ」
と、吉宗は聞くと共に、即座に義通をうながしました。
間もなく、召呼ばれた万太郎は、笑みを作って新将軍の前へ出ます。