Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
そうしてその六十日周期の第一日を、とくに重要視する風は日本の方にも有り、南の島々にも弘く行き渡っていた。例は幾らも挙げられようが、八重山群島の西表の節祭のごときも、やはり稲の生産期の境目に行われる大祭で是は旧暦七、八月中の癸亥から三日間で、その第二日目の甲子の日が最も重要であった。そうして是には鼠との交渉があったという記事は見えず、ただその前後を年の祖と称し、またはこの節日をショウグヮツグヮ、すなわち小さな正月という名称のみが伝承せられている。子の日は鼠の日だということは昔の人も知っていたろうが、是を鼠のためばかりに、設けられた日なるがごとく、解するに至ったのは新らしく、また限地的のものではないかと私は思う。北の方の奄美群島の中には、旧暦三、四月にくる甲子の日を選んで、鼠払いの行事をする村があったが、それはこちらの鼠送りも同様に、ただ一匹の代表者を捕えて、海に流すというような攻撃的のものだったらしいのに反して、ドンガという甲子の日ばかりは優遇という以上に、この日鼠を見た者には災いがあると謂って、野外に出ることを慎しみ、もとは丸一日田畠を鼠に解放するのみか、鼠という語を口にさえしなかったということである。