Japanische Klassiker mit Furigana
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かいじょうのみち
海上の道
柳田 国男
Lesen Sie 海上の道 (かいじょうのみち) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 182.344 Zeichen · 353 Bildschirme
結末はいずれも猫の鳴き声だが、その前に必ず隠れ里の富裕な光景を詳しく説くことを忘れていない。その幻しが殊に楽しかったと見えて、話は御伽の本の絵にも残り、また諸国には鼠の隠れ里の故跡は爰だと称して、耳を地面につけて聴くと、米搗く臼の音がきこえると謂った、塚や森などもそちこちに有る。多分はかつて単純な人たちの間に、非常にこの話の有名であった時代があるので、事によると斯んな有り得べからざる鼠穴から地下の世界に通うというような話でも、それを本とうにあったことかと思う者が、古い色々の行きがかりにひかれて、まだ少しは残っていたのかも知れない。
それが何としても、もはや信じられなくなって、かえって我々の民間文芸が自由になったものか、日本の昔話は、特にこの方面においてよく発達している。三つ児も知っていた舌切雀、お宿はどこじゃなどもその一つの場合であり、東北では豆こ噺などといって、座頭がよく人を笑わせた大話も、是から導かれているようだ。それよりももっと確かなのは団子浄土と私たちの呼んでいるもの、一粒の団子がおのずと転げて、穴の中へ入って行ったという昔話、是も僅かずつ形をかえて、ほぼ全国の隅々にまで分布している。